高齢者は要注意!インフルエンザの流行始まる。ホームでの対策は?
日に日に寒さが増してきている昨今、全国46都道府県において、インフルエンザ患者が増加したことを受け、国立感染研究所は5日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表しました。これは昨年と比べると、3週間早い流行期入りとなり、過去10年と比較しても2番めに早い流行入りとなったそうです。
インフルエンザの流行は、1医療機関におけるインフルエンザの新規患者数によって判断されますが、この数字が1を越えると「流行」の目安となり、さらにこれが10を越え、30未満の状態を「注意報」、30を越えると「警報」となります。
現在のインフルエンザの流行は、岩手県(10.52人)、福島県(6.41人)の東北地方のほか、埼玉県(5.05人)、神奈川県(4.04人)、東京都(3.62人)といった首都圏エリアでの患者数が多い状況となっています。
インフルエンザに感染する患者数は、年間で1000万人以上とされ、また、インフルエンザへの感染がもとで死亡する人は、特に流行した年では、高齢者を中心に年間1万人以上にものぼるというデータもあります。
インフルエンザに感染すると、1~3日程度の潜伏期間の後、急激に38度を越えるような高熱が出ます。体力のない高齢者や子どもが感染し、重症化した場合には気管支炎などによる呼吸困難や肺炎、脳炎や心不全などを起こして死亡する場合もあります。
今年のインフルエンザは、現時点では「A香港型」と呼ばれるものが大半を占めていますが、このタイプは高齢者が重症化しやすいという特徴があるようなので注意が必要です。予防接種(ワクチン)などもこのタイプに合わせたものが実施されていますが、インフルエンザウイルスにはさまざまなタイプがあるため、予防接種をしたからといって絶対に感染しないというものではありません。また、インフルエンザワクチンは、感染した際の重症化を防ぐ役割は果たしますが、感染そのものを防ぐものではありませんから、予防接種をしたからといって安心できません。
また、インフルエンザの予防接種から効果を発揮するまでには2週間程度の時間がかかるとされているため、例年より流行開始が早いぶん、今年のインフルエンザ予防接種も早めの対策を打つ必要があります。
■インフルエンザが重症化しやすい高齢者、小さなお子さんがいる家庭は早めの対策を。
各自治体では、高齢者向けのインフルエンザ予防接種を実施していますので、お住まいの自治体まで確認してみてはいかがでしょうか。ホームなどに入居されている方で、お身体の状態などにより予防接種が難しい方の場合には、自治体によっては費用助成が受けられる制度などもあります。※接種回数や実施期間に制限が設けられている場合がありますので、お住まいの自治体にご確認ください。
■手洗いとうがいの徹底。外からウイルスを持ち込まない努力を。
インフルエンザは、主に、感染した人がウイルスの付いた手で触ったものを健康な人が触って、その手で口や鼻などを触ったことによりウイルスを体内に取り込む「接触感染」と、感染した人の咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込む「飛沫感染」の2つの経路があります。
高齢者のいるご家庭、また、ホームなどへの面会の際には、外からインフルエンザウイルスを持ち込まないよう、手洗いやうがいなどの徹底の他、体調が疑わしい時には高齢者への面会を控えるなどの注意を払うことが必要です。
▼外部リンク:国立感染症研究所 インフルエンザ様疾患発生報告
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-m/flutoppage/590-idsc/132-flu-gakkou.html
出展 詳しくは、こちらから
介護ぱど