高齢化とともに増える認知症。2025年には700万人に。政府が新たな国家戦略案を提示
厚生労働省が、7日に行われた会議において公表したデータによりますと、団塊の世代が75歳を超える10年後の2025年までに、認知症の高齢者が約700万人に増加するとのこと。これは65歳以上の高齢者全体において、5人に1人を占め、社会全体での認知症の高齢者に対する取り組みが必要だと指摘がなされました。合わせて厚生労働省からは、「認知症国家戦略」の内容も明らかにされました。これは、厚労省が、2013年度から17年度までの認知症対策として打ち出していた5カ年計画の「オレンジプラン」の数値目標の変更や対象となる期間を2025年まで拡充したもので、「新オレンジプラン」と名付けられています。同プランの基本的な考え方は、「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」ものとしています。そのため、特に注力していく取り組みとして、若年認知症施策の強化など七つの柱を掲げ、これらの対策に、関係省庁が横断的に取り組んでいくものとしています。
[認知症国家戦略の主な取り組み(抜粋)]
・認知症の人への理解を深めるための全国的なキャンペーンを実施。
・認知症を持つ本人らの思いを重視するために、国や自治体の認知症施策づくりや政策評価に、認知症の人やその家族が関わることを推進。
・65歳未満の若年認知症の人の対策を強化するため、本人や家族からの相談窓口を都道府県に設置。
・介護ロボットの開発・普及や仕事との両立の実践例の紹介を強化。
・「認知症カフェ」の設置推進。
・認知症対応力向上研修を受けるかかりつけ医を2017年度末までに6万人に拡大。
・認知症について学び、理解を深める「認知症サポーター」の2017年度末の目標数を600万人から800万人に引き上げ。
今回発表された内容は、昨年11月に開かれた、認知症に関する国際会議の席において、安部総理が示した認知症の国家戦略に関する内容に基いています。同会議で、安部首相は「(世界の中で)最速で高齢化が進むわが国こそ、社会を挙げた取り組みのモデルを示さなければならない」と発言しており、超高齢化が進む日本への危機感とそれに取り組む決意を打ち出しています。
高齢化社会の進行と、それにともなって増加する認知症については世界の関心事でもあり、果たして日本がその問題についてどのような解決策を見出すのかについては、各国からの注目も集まっています。
出展 詳しくは、こちらから→ 介護ぱど