高齢者がペットを飼うということ。そのメリットとリスク
イヌやネコなど、ペットのいる生活は、高齢者の毎日に癒やしを与えてくれます。ペットの世話をすることで気持ちや生活にもハリが生まれますし、ペットとのふれあいは「アニマルセラピー」とも呼ばれ、認知症などへの効果も認められることから、介護施設などでも、アクティビティの一環としてペットとふれあう時間を設けたり、最近ではペットと一緒に暮らせるホームも出てきています。
●ペットと入居、心の支え 保健所から特養が引き取り世話(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/articles/ASGDV5RSQGDVULOB011.html
殺処分されそうな犬や猫を引き取っている特別養護老人ホームが神奈川県横須賀市にある。「動物の命を少しでも救いたい」との思いで始めた取り組みは、入居者の心の支えにもなっている。
■高齢者がペットを飼うことによるリスクも。行き場を失うペットたち。
良いことずくめにも思える高齢者がペットと一緒に暮らす生活ですが、一方で問題も起きています。
近年では人間だけでなくペットの高齢化も進み、以前は7歳程度だったイヌ・ネコの寿命が、平均で14歳ほどまでに伸びてきています。高齢者がペットを飼うことを諦める理由の多くが、「最後まで世話をする自信がないから」というもの。これは、自身も高齢で飼い始めたペットが、ともに高齢になり、満足な世話を最後までできなくなるかもしれない、という不安があるからです。実際、動物愛護センターなどに世話をすることができなくなって持ち込まれるペットの多くが、飼い主であった高齢者が、病気によって入院したり、死去によって飼えなくなったからという理由です。
東京都動物愛護相談センターがまとめたところでは、平成12年度に飼い主から引き取ったイヌ・ネコのうちおよそ4割が、飼い主の死亡や入院などが理由となっているとのこと。今後高齢化が進むほどに、こうした引き取りは増えていくことでしょう。
■高齢者が安心してペットを飼えるように。自分とペットの万一に備える
特にひとり暮らしの高齢者の場合、ペットを飼うということには「いつどうなるかわからない」というリスクを伴います。本人に代わってペットを世話をすることができる親族が身近にいれば良いのですが、なかなかそうもいきません。
そうした中、高齢者がペットを飼うことへの「もしも」に対するサポートを行っている団体があります。
●特定非営利活動(NPO)法人 高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク「VESENA」
http://www.vesena.org/
・高齢者のQOL向上のための社会貢献活動をします
・シニアのためにペット飼育を支援します
・ペットの将来のために新しい飼い主探しをします
●特定非営利活動法人ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン:ペット飼育支援センター
http://www.pflj.org/breeding/index.html
高齢者とペットが幸せに暮らせるお手伝い、
急な入院や事故”もしも”の時に愛するペットの一時預かりを行います。
●特定非営利活動法人・ペットライフネット
http://petlifenet.org/
ペットライフネットは、ペットと終生ともに暮らすシニア世代のあなたを支援します。
シニアにもしものことがあったとき、たちまち困るのがペットの飼育です。終生飼育を願うペットライフネットは、ペットのいのちをつなぐネットワークをつくり、そのコーディネートをおこないます。
ペットを飼うということには、そのペットの面倒を、最後まできちんと見るというリスクと責任が伴います。しかし、高齢者がペットを飼うということには、それを補って余りあるメリットがあることも事実です。
人々に癒やしを与えてくれるペット。高齢になっても、人間とペット双方が安心して毎日を過ごせる環境が整うことを願ってやみません。
出展 詳しくは、こちらから→ 介護ぱど