「安心して住み慣れた地域で暮らせる」ための訪問介護、在宅重視。サービスごとの介護報酬額まとまる
今年の4月から改定される介護報酬額について、厚生労働省の社会保障審議会介護給付分科会は6日、介護サービス事業者への介護報酬基準を公表しました。
介護報酬については、すでに先の審議にて総額2.27%を減額することが決まっていましたが、このたび発表された内容で、その分配方針が決まりました。
すべての事業者が受け取る基本料については、その「儲け過ぎ体質」が糾弾されていた特別養護老人ホームでは6%弱、小規模デイサービス(通所介護)では、最大9.8%の減額となりましたが、特養では4月より入居基準が要介護1から要介護3に引き上げられるのに伴い、重度の介護が必要な入居者や看取りへの対応を積極的に受け入れる事業者に対しては、報酬額を優遇する措置が取られました。
また、「高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる」よう、訪問介護など、在宅でのサービスについては重点的に介護報酬が加算される一方、介護の必要度の低い要支援1・2の人向けの通所介護については減額する措置が取られています。要支援者へのサービスについては、15年度以降、順次市町村事業への切り替えが図られますが、今回決められた介護報酬の単価が、その際の基準額になるものと見込まれます。
人手不足が深刻化している介護職員の処遇改善のために、人件費に回すことが義務付けられた「処遇改善加算」については拡充し、全体平均で月額1万2000円の増額が図られるとされていますが、人件費の上昇を嫌った施設が、ボーナスの減額や雇用そのものを減らすなどで調整を行うのではないかという危惧もささやかれています。
増大する一方の社会保障費を少しでも削減するために介護報酬の減額が行われましたが、これが結果的に介護サービスの質の低下や、職員待遇の悪化などにつながらないことを祈るばかりです。
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