4つの認知症について
前回の『認知症とは?』で認知症と種類についてご説明しました。
今回は中核症状と周辺症状についてご説明します。
中核症状
脳細胞に小さな傷がつくことで、脳本来の働きができなくなることを「中核症状」といい、全ての認知症の方にあらわれる症状で大きく分けると次の4つになります。
【記憶障害】
自分の体験した記憶が思い出せなくなる、記憶から消えてしまう障害(認知症の人に例外なく起こる症状)
記憶障害には「もの忘れ」とは違う特徴があります。
1・新しいことが覚えられない
2・経験した事そのものを忘れてしまう
3・最後に残った記憶がその人の現在だと思い込む
※80歳の認知症の人の残っている記憶が50歳の場合、その人の現在は50歳にだと思い込みます
【見当識障害】
時間、場所、人を記憶する、認識する機能が失われる障害。
・今日の日付や時間がわからない
・今自分がいる場所がわからない
・見知っている人の顔を見ても誰か分らない
などの症状があります。
【判断力の障害】
物事を順序だてて考えることができなくなり判断力が低下する障害。
・服を順番に着ることができない
・季節にあった服を着ることができない
・善悪の判断ができない
・買い物時にお金を払わずにものを取ってきてしまう
などの症状があります。
【認知障害】
失語
・読む、話す、聞く、書く能力などの障害
失認
・鼻、目、耳など正常に機能しているのに物を認識できない障害
失行
・以前はできていた一連の動作を行うことができない
実行機能の障害
・物事を順序立てる、抽象化する機能が働かなくなる状態
周辺症状(BPSD)
周辺症状は中核症状が原因で、起きている現実を認識できなくなったときの心理的な混乱からあらわれる症状。
本人の性格、環境によって症状が異なります。
【徘徊】
・じっとしていることができず家のなかをうろうろする
・どこかへ行こうとして家の外を歩き回る
【妄想】
・自分の物が「盗まれた」と言い、周りの人に対して疑心暗鬼になる
【暴力・暴言・介護抵抗(拒否)】
・些細なことで大声を出し怒ったり、叩いたりする
・薬を嫌がって飲まない、入浴や着替え等の世話を焼かれることを嫌がる
【食行動異常】
・食べられない物(ティッシュやごみ)でも食べてしまう
・食事したことを忘れ、繰り返して食事をする
【睡眠障害】
・眠りが浅く夜に目が覚め、日中ウトウトしてしまう
その人自身を理解し原因を探ることが大切
中核症状は現在のところ治療が困難ですが、周辺症状についてはその人自身を理解し、行動の原因を探ることで症状を緩和させたり、問題行動を減らしたりすることができるケースもあるそうです。
出展 詳しくは、こちらから→ 介護ぱど